導入事例インタビュー
キャリア支援+社内のコミュニケーションツールとして適性検査eF-1Gを活用
1931年に国産初の水道用急速ろ過装置を納入して以来80余年、水処理事業のパイオニアとして国内外に水・環境インフラ事業を展開。2009年、荏原グループの水事業を「荏原エンジニアリングサービス」に統合。 2010年、荏原製作所、日揮、三菱商事が資本参加。2011年に「水ing」に商号変更。
https://www.swing-w.comキャリア研修の場面で、自己特性(性格や行動特性)を振り返る最適なツールがないか探していた
会社統合によって様々なバックボーンを持った社員が一緒に働いており、加えて若手採用を強化したこともあって、意思疎通を円滑にする手立てを模索していた
研修の自己理解ツールとして社員から好評。受検結果の見方をレクチャーし、グループワークを行う「解説会」も実施し、より自分の強みや弱みを認識してもらうことが出来た
受検対象を執務系の全社員まで拡大し、自己理解と他者理解を深めることに役立ててもらうことが出来た
キャリア研修のみならず、3か月にわたる新卒入社者研修の終盤でもeF-1G受検を実施し、フィードバックシートを配属先のマネジメント層と共有することで、育成支援に活用している
はじめに
はじめに自己紹介をお願い致します(現在の職務内容・ご担当領域について)
北澤様
水ing株式会社 採用・研修部の北澤です。2001年に荏原製作所に入社し、営業部門・建設部門を経験して、2012年から現在の採用・研修部に着任しました。最初は新卒・中途の採用をメインに担当しておりまして、その後、社内の教育施策の企画・運営に携わっております。
岩田様
水ing株式会社 採用・研修部の岩田です。2015年に水ingに入社し、法務部、内部統制部を経験して、2017年4月に現在の採用・研修部に着任しました。最初は新卒採用をメインに担当しておりまして、現職では北澤同様、社内の教育施策の企画・運営に携わっております。
事業内容を教えていただけますでしょうか
北澤様
水ing株式会社の名の通り“水”を扱っている企業です。主に国内外の水処理施設の設計、建設、運営をおこなっています。当社は経営理念に『生命の源である「水」を通じていつまでも社会に貢献し続ける「ing」』を掲げて、水で社会に貢献する事業活動を広げております。
今年は新たな中期経営計画のスタートの年でして、当社が掲げるビジョンを達成するためにも、人材の育成が重要なテーマになっています。我々の部門としても、水事業を担う社員の育成を支援するために、いくつか施策を推し進めています。
きっかけは研修ですが、第一の目的は 「社員サポート」でした
2018年より適性検査eF-1Gをご活用いただいておりますが、まずご導入の経緯を教えていただけますでしょうか
北澤様
きっかけは2018年に新しく始めた「キャリア研修(勤続四年目が対象)」の一コンテンツとして、キャリアを振り返っていただくのと同時に、自己を見つめなおす時間を持っていただくことになり、自分を客観視するツールとして適性検査を活用するアイデアが持ち上がりました。
いくつかサービスを検討する中で、eF-1Gを試験利用させてもらい、オンライン受検の簡単さや、アウトプットもわかりやすそうだということで導入させていただきました。
岩田様
きっかけは研修ですが、第一の目的は 「社員サポート」でした。自己理解・他者理解を深めてもらい、各々のキャリアに活かしてもらうためのツールとして適性検査の導入を推し進めたかたちです。
受検者が構え過ぎずに自己と向き合えると思いました
色々な適性検査サービスがある中で、eF-1Gをお選びいただいた理由はどんな点でしょうか?
北澤様
eF-1Gの受検結果シートがわかりやすかったのと、人物の総合的な特徴を8つの人材タイプ(役割志向8タイプ)で表現してくれるのが親しみやすくていいなと。これは受検者が、構え過ぎずに自己と向き合えると思いました。
eF-1G導入後、社内の反響はいかがでしたでしょうか?
北澤様
最初は、結果の見方やなぜこれを受検するのかといった目的についての問い合わせもありましたが、解説会や受検案内による説明を繰り返すうちに、「定期的に受検するもの」だと、徐々に慣れてきたようです。当初は4年目のキャリア研修だけだったのですが、今では執務系の全社員に受検してもらっています。社内の認知も上がり、話題に挙がる頻度も高まりましたし、何より受検をきっかけに自己理解と他者理解に役立ててもらえていると感じています。
成長に繋げてもらうことに意味があると思っています
研修での活用からはじまり、受検対象者が全社員に拡大されたそうですが、この経緯についてお聞かせいただけますでしょうか
岩田様
2018年度のキャリア研修から導入し、受検対象者を徐々に増やしていきまして、21年度には執務系の全従業員の約1,000名が受講完了いたしました。また22年度からは、環境変化によって自己特性も変化することを踏まえて、任用や昇格などのポジション変更、部署異動があった社員、また環境変化がなくても経験を積むことによって強みが変わることを考慮し、3年に1回は受検してもらうよう仕組化しました。
全社員に受検を実施したことで、実際にどのような効果や、対象者様からの反響がありましたか?
岩田様
執務系の全社員が受検した結果から言えることとしては、我々が当初意図した“各々の自己理解”に役立っていることが、反響として挙がってきています。
具体的には、「現時点の内面的な強さが把握できたので、次回の受検タイミングでも振り返り考察していきたいです」とか、「強みを生かすだけでなく、より活躍するために自分に足りないものを意識して行動を取りたいです」といった声が届いています。
つまり受検をきっかけに、現在位置を知って、そのために何かしらのアクションを取っていこうというのが見られますし、今後何らかの意識的な変化があるものだと推測しています。またポジションが上がるにつれて求められるコンピテンシー或いは行動特性も変わりますので、そこで何かしらの変化が促されるものと考えています。
北澤様
解説会でも、特性って変わる部分と変わらない部分があるよね…というのを前提に話をしています。eF-1Gでは、変わらない部分だけではなく、「役割によって変化する部分」も見ることができると我々は思っているので、例えば管理職になりましたとか、立場が変わりましたといった場合に、求められることも変わるので、それによって発揮される行動も変わってくる。その行動の結果がアセスメントにも出るわけですよね。可視化された結果をもとに、ご自身がその時々の状況に応じて変わることも受け入れてもらい、成長に繋げてもらうことに意味があると思っています。
キャリア支援の一方で、社内のコミュニケーションツールとしてのご活用も期待されての導入と伺いましたが、効果はいかがでしたでしょうか?
北澤様
前提として当社の歴史について少しお話させていただきますと、2011年に現在の水ingになりまして、様々なバックグラウンドを持った社員が集っているんですね。それから、長らく止めていた新卒採用やキャリア採用を再開したことに伴って、若手世代も増えてきまして、これまでボリュームゾーンとして活躍していた上の世代・・・顔が見える規模の会社ですので「あうんの呼吸」が通じた世代と今の若手の間に、世代間の意思疎通のギャップも出てきていたんです。
時代の流れとしても、多様性を受け入れることもそうですし、お互いを知って、意見を活発にしていかなければならない中で、コミュニケーションのギャップを解決するために、研修部門として何が出来るかを考えた結果、適性検査を活用するというアイデアに至りました。個人的には、eF-1Gを導入したことによって、社員同士のコミュニケーションを円滑にする一助になっているのではないかと感じています。
eF-1G受検結果を用いた「ワークショップ型の解説会」を実施
研修以外の場面で、eF-1Gを活用されていますでしょうか?
岩田様
基本的にはご自身にフィードバックしてキャリア形成に活用してもらうことを目的としていますが、その他でいうと「解説会」に参加いただいた方には、ワークショップのメンバー同士で開示しあってアドバイスを求めるといった使い方もしています。
北澤様
また別の活用方法としては、新卒のマネジメントにも活かしてもらっています。新入社員の皆さんには3か月間の研修の終盤でeF-1Gを受検してもらい、その結果を配属先のマネジメント層に共有しています。その方の特性を知ってもらい、育成に活かすことで、配属後のコミュニケーションギャップを防いでいるという狙いです。
受検結果を用いた「解説会」というのは水ing様ならではですが、実施のタイミングやその効果について、詳しく教えていただけますでしょうか。
北澤様
全社員が受検するにあたり、結果を正しく理解していただくために、解説会を開催することに致しました。
はじまりは、社内でキャリアについて考える「キャリア月間」でした。その一企画として、eF-1Gの受検と(受検後の)解説会を実施しました。その後もキャリア研修や階層別研修でeF-1G受検と解説会を行い、研修受講者以外は、希望者のみが参加できる公募制で解説会を実施するようになりました。
岩田様
解説会の流れとしては、受検結果の「フィードバックシート」と「ワークシート」の2種類をお渡しして、まずシートの見方の解説をさせていただきます。その後、ワークショップ型の研修として、「役割志向(8タイプ)」と「認知・思考(5スタイル)」のマトリックス表を用意し、各受検者の結果をプロットされているのを見て、同席する他のメンバーが「どのような強みを活かして仕事をしているか」など、相互の違いを発見して、異なるタイプが存在することを知っていただき、相互理解を促す、といった時間を設けています。
北澤様
キャリア月間のコンテンツとしてスタートし、その後も強制ではなく、公募制で開催しているので、参加者も能動的に取り組んでくれていると感じます。その時々で、参加者の所属部署も、年代も、ポジションも様々ですし、もちろん初めましてという方が一緒になることもあります。ワークショップで色々な意見が飛び交うので、互いの視点を知って、学びを深められているようです。
水ing様の独自活用ポイント
eF-1G受検結果を用いた「ワークショップ型の解説会」
受検結果を用いて、以下の2種類のワークを実施(ワーク例)
1.自己特性を振り返って得た気付きを、参加者同士で開示しあい理解を深める
ワーク例
- フィードバックシートを読んで、「そのとおり」と思ったところ、「なるほど」と気づきがあったところをマーキングする
- マーキングした箇所についてメンバー同士で語り合う
2.自己特性を「仕事の場面でどのように活かせるか」を考える
ワーク例
- フィードバックシートとワークシートを読んで「自分自身の良さが活きるところ」や「自分自身がより活躍するために必要だと思うこと」として当てはまるところにマーキングする
- マーキングした箇所について、 アクションプランを考えるなど行っている
今後eF-1Gのサービスや機能に期待することがありましたら教えてください
岩田様
現状、受検後のフォローについては、イー・ファルコン社からいただいた手順書等を元に、個別にフィードバックしたり、解説会の前段でシートの内容や見方、活用の仕方を説明したりしているわけですが、そのガイド自体をeF-1Gのサービスに内包してくれると有難いなと思います。例えば、動画などでレクチャーが見られるとより便利になりますし、フィードバックシートの捉え方についても齟齬等がなくなるのではないかと思います。
北澤様
それから、フィードバックシートのコメント内容(受検者に向けてのアドバイス)がもう少し厚みがあるといいですね。現状では経歴やポジションによっては、物足りなさもあるという気がしているので、今後の改善・進化に期待したいです。
最後にひとこと
岩田様
eF-1Gを受検して、自分自身も気付きが多くありました。特に自分の傾向として、「目的志向が強いが故に、周囲の人がついていけなくなってしまうことも時にある」ということを認知して、「周囲の協力を引き出す働きかけやコミュニケーションの取り方に工夫をしよう」と行動を変えることが出来ました。それから、「何のためにするのかという目的を置き去りにして、業務に没頭してしまう」という指摘に対しても「目的を深く考えてから、新しい仕事に踏み出す」といった改善に繋げられました。このようにeF-1Gの受検を通して、職場で活躍するための留意点を得ることが出来ましたので、他の社員のみなさんに向けても、職場で活躍するためのヒントとして、eF-1Gを活用していただけるようサポートしていきたいと思います。また、イー・ファルコン社には定期的なミーティングの場で、当社の課題や利用状況を踏まえて、効果的なサーベイの提案などもいただいています。アセスメントの策定だけでなく、企画・実行・PDCAも支援いただけるのがすごいなと思いますので、他の企業様にもおすすめできるところです!
北澤様
私自身も何回か受検している中で、役割や立場の変化と共に受検結果も変わっているので、まさに「変化を実感できるツール」として社内にも活用を広めることが出来ています。
またイー・ファルコン社にはeF-1Gの提供だけでなく、過去にワークショップをしていただく機会もありました。その際もコミュニケーションの活性化につながるようなアイデアを沢山ご提案いただきまして、それを実行に移していくことで、社員同士も話がしやすくなったり、社内の雰囲気がよくなったりすることに繋がりましたので、この点でもご一緒してよかったなと思っていますし、引き続き新しい施策提案などご支援いただけたらと思います。