お客様とプロの声

インタビュー
「荒川化学工業の内定辞退防止への取組み」

2014/08/27

eF-1G
  • 語り手 荒川化学工業株式会社
    執行役員 人事部長 宮川 博夫 氏

※登場する方の所属企業、役職等は当時のものとなります。

適性検査eF-1(エフワン)との出会い、本格導入に至るまで

明治9年創業、今年で138年目を迎える研究開発型企業です。ロジンという「松やに」を精製した樹脂を主原料に工業用の中間素材を製造し、みなさんの生活を便利に快適にしています。例えば、スマートフォン本体の保護材や反射防止マットなどに使われています。ロジンがなければディスプレイにキズが付きやすくなったり、見えにくくなります。また、印刷物では、紙の強度が落ちたり、文字がにじんで読みにくくなります。ネバネバした性質はガムテープやチューンガムにも活かされていて、数え上げたらきりがない程多種多様な商品に荒川化学の技術が使われています。素材メーカーですので、最終商品はありませんが、何気ない日常の当たり前を支えている会社です。

荒川化学とは?
http://www.arakawachem.co.jp/jp/what/

──eF-1との出会いは? 本格導入に至った経緯は?

私が入った当時、荒川化学では採用試験に別の適性検査を使っていました。どこの会社のものかも名称も忘れてしまいましたが、分かりにくい適性検査で、私の感覚にはフィットしていませんでした。受検者のタイプを4つくらいに分けるだけの単純なもので、それを見ても「誰と誰は同じタイプだね」程度のことしか分からない。なんの役に立つのかがまったく分からず、もっと適切なものがあったらいいなと思っていたとき、知人からイー・ファルコン社を紹介されてeF-1を知りました。
でも、最初は半信半疑でした。こんなもんで人間の内面が分かるものなのかなと。でも、社内のメンバーが試験的に受検してみたら、おもしろい程人間性を言い当てている。余りにも当たっているのでちょっと怖いくらいでした。それが2010年の冬です。
2011年は今後の参考になればと、内定承諾者と会社役員が受検をしたのですが、この頃にはもう、「これは使えるんじゃないか」という確信めいたものを感じていました。本格導入となったのが2012年で、そこからさらに新たな検査項目なども加え、段々と重要視するようになっていき現在に至ります。
ただ、検査結果の読み取り方、読解力みたいなものが上がってきた今考えると、最初の頃はちゃんと読み取れてはいなかったように思います。読み取り方を、時間をかけて体系的に教えてもらい、数をこなして読み慣れていき、段々にフィットしてきたかなという感じです。
「eF-1依存症になっています」と言いだす部員もいて、私も正直似たような感じなんですが、だからこそeF-1の結果だけで判断しないよう意識しています。eF-1に限らず適性検査は受検者の自己申告で成り立っているので、その結果が本当にいつでも正しいとは限りませんからね。
自信を持って言えるのは、面接時には直感で「この応募者はこういう特徴をもっているのでは」と思っても確信をもてないことが多々あります。そんなとき、私の感じた通りのことがeF-1の結果に表れていると、直感が確信に変わります。自分の判断の確認のために使う。そういう補助手段としての使い勝手は非常にいいし、大いに役に立つということです。

振り返り分析によって見えてきた課題

──2014年度入社の新卒採用選考終了後に、当社(イー・ファルコン)が行った振り返り分析の結果、内定辞退者が多いこと、内定承諾者より辞退者の方に良い学生が多いことなどが明らかになりましたが─

例年、内定辞退率が高いことは課題となります。ただ、世の中の景気動向、会社の魅力など、いろいろな理由は考えられるものの、昨年ほど多くの辞退者が出たのは初めてでした。一般論で言っても優秀な学生はより人気のある企業からも内定が出ているわけで、優秀な学生ほど辞退する率が高くなるのはとくに不思議なことじゃないと思っています。でも、できることなら防止したいと考えて採用選考の在り方を見直しました。
合格した方、不合格の方のパーソナリティ適性や能力テストの結果はそれぞれどうだったのかを分析する、振り返り分析の中でイー・ファルコン社に指摘されたのは、面接官と内定者との相性です。面接官と内定者のそれぞれを、組織で果たそうとする役割志向から8つのタイプに分類(※)して確認したところ、両者の相性の悪さが内定辞退に影響しているのではないかという仮説が立てられました。自分と異なるタイプの面接官の言葉はなかなか学生の心には響かず、「分かってもらえる」感が得られないため、会社そのものの魅力も感じられなくなり辞退に影響しているのではないかと考えたわけです。

※役割志向8タイプの解説はこちら
http://www.e-falcon.co.jp/service/service3.html

この問題を克服するためにはeF-1の結果から応募者のタイプをしっかりと読み取るための研修を行った上で、面接用キャッチトーク集を使って、自分とは異なるタイプの内定候補者に対しての効果的な接し方や、それぞれに響く社の魅力の伝え方を実戦形式で演習し、共感を高める面接を行うための研修を行いました。

内定辞退者激減、良い学生を採れた理由

──今年は内定辞退者が激減し、良い学生を採用できたとの分析結果が出ていますが

先ほどお話しした研修などを受けて「自分と相手は違う人間なんだ」ということをはっきり認識しつつ面接を行えるようになったというのは大きいと思います。これは面接の場面に限らず日々のマネジメントにも通じることですが、「理解してもらえた」「自分を分かってもらえた」と感じると学生は非常に嬉しいみたいです。
イー・ファルコン社に作ってもらったトーク集にあるキャッチトークで学生の気を引く場面ももちろんありましたが、それだけではなく、eF-1の結果を読み取って「あなたってこんな人だよね」と理解を表わすと、とても喜ぶ。自分で答えた結果なんだから当たっていて当たり前なんだけど必ず喜びます。研修を受けるまでは、自分がこう感じるんだから相手も同じように感じるはずだという思い込みがどこかにあって、自分本位な質問や話ばかりをする面接官も少なからずいたと思います。それが応募者の気持ちを惹きつけられない要因になっていたのかなと。これが決定打になったかどうかは分かりませんが、辞退の減少につながっている可能性は大いにあります。

あとは、採用活動の期間はコンパクトにしつつ、説明会と面接のインターバルはあえて空けました。採用活動が解禁になった直後はどこの会社に行こうという意思を固めずに応募する学生が多いので、説明会と面接が近いと応募意思の固まっていないまま面接を受けてしまう。そのため内定辞退者が増えるんじゃないかと考えました。確証はありませんが、これも面接後の辞退者数が減ったとひとつの要因かなと思います。ただ今の倍の人数を採用するとなると、このやり方では厳しいかもしれない。採用レベルを落としてまで採用すると言うのは考えられないことなので、その都度考えていかないといけませんね。

質に関しては、合格者の特徴としては「外向性」、「明朗性」、「柔軟性」、「曖昧さを受け入れる力」が高く、「思い込みの強さ」、「指示・理の拒否」、「孤立性」が低い結果でした。これってよく考えると、一般的に優れているであろうとされる人物像そのものです。この辺はちょっとeF-1に引っ張られ過ぎている傾向はあるのかなとも思っていますが、昨年はこうした「良い学生」に辞退されましたが、今年は「欲しい学生」から内定承諾を得ることができました。

また、昨年は「業務上で注意すべき傾向性」が一律に低い人を選んでしまいがちでした。でも、今年はeF-1の読解力が上がってきたこともあってか、単なる優等生というより、「感情的・動的」、「攻撃性・罰性」、「自意識過剰」といった一見ネガティブに見えるのですが、別の解釈をすると自分をちゃんと表明できるような人を選べたのではないかなと思っています。

採用と育成におけるこれからの課題感

これから海外のウェートは上がることはあっても下がることはないし、海外勤務の可能性はすべての新入社員にあるので、入ってくるときからもう少し鮮明にグローバル適性を見極めたいなっていうのはありますね。強さと弱さを兼ね備えているというのも含めて、国内勤務で活躍できる人とあんまり変わらないのかもしれませんが、ちょっと色彩が違うようにも思いますので。現行の英語バージョンに続いて、秋口には中国語バージョンも展開されるというお話ですが、それは本当に必要だと思いますし期待もしています。限られた時間内で実施する適性検査は、速読能力も必要とされるため、母国語でない日本語で受検するのは、どうしても外国人にとっては不利ですから。それとは別にグローバル適性に特化して測定できる部分を期待したいですね。

eF-1は現状ではとてもフィットしていて、ないとちょっと困るくらいですが、普及している適性検査のように今後世間でもっと広く使われだして、受検者がトレーニングをしたりするようになると信頼性が落ちるんじゃないかなという心配はあります。能力テストなどには複数のパターンが用意されていると聞いているので大丈夫なのかもしれませんが、そこら辺は注意して見ていかないといけない。あと、さっきも言いましたがeF-1は多面的によく見えるし、自分の感覚にもフィットするので、ついつい頼りすぎてしまう傾向があるのでそれも今後の課題かもしれません。eF-1に限らず適性検査は受検者自身がした過大評価も過小評価もそのまま数値化してしまうものだということを忘れちゃいけないと思っています。
フィット感があることと、これからどう使っていくか、どう活かしていくかとはまた違うレベルの話なので、読解力をさらに高めて採用時だけではなく、育成の場面でも強力な補助手段として活用していきたいと思っています。

まずはお気軽にお問い合わせください。

その他の記事