お客様とプロの声

「内定辞退はこうして防ぐ」
~個性に応じた内定者フォロー~

2015/07/29

eF-1G
  • 語り手 株式会社イー・ファルコン
    執行役員 木村 富江

※登場する方の所属企業、役職等は当時のものとなります。

内定者が不安に思うこととは

皆さんご存じの通り、16採用は内定出しのタイミングが大きく変わりました。経団連指針と異なる考えをもつ企業やベンチャー企業、外資企業などを中心に、早くは4月上旬から内定を出されている一方、指針を遵守する大手企業は8月から内定を出されるので、8月第1週からが内定者フォローの本番ということになります。
では何をフォローすればいいのでしょうか。内定者は3つの不安を抱えています。それらは、【仕事】自分はこの仕事に向いているのか―仕事と自分の強みとの一致、【職場】どんな人と一緒に働くのか―職場の状況、【キャリア】どんな風に自分が働き、活躍できるのか―キャリアイメージです。これら不安を払しょくするには企業との絆を築き、入社後の働くイメージ・ビジョンを明確に描いていただくことが大切です。
特に10月1日の内定式までは入社意欲を固めていただくことが最優先と考えます。内定者が抱える3つの不安のうち、【仕事】【職場】にあたります。
その後、10月以降になりますが【キャリア】に重点をおいたフォローが望ましいと考えます。
今回は、9月までの「入社意欲の醸成」に絞ってご紹介します。ここでは内定者自身が仕事で活かされる自分の魅力に気づき、また、気づきを与えるフォロー側が内定者と同じ目線で物事を見るといった取り組みを通じて、不安を払しょくし、入社意欲の醸成を図っていくことが目的です。

相手と自分は違っていて当たり前である

それでは、どのように気付かせ、安心、共感を抱かせるかというと、適性検査の活用が有効になります。適性検査eF-1Gには新卒採用向けフィードバックシートがあります。診断フィードバックを通し、自己理解を深めることによって、その人の強みがどこにあり、その強みが当社の仕事のどのようなところに活きるのかということが見えてきます。できればこの性格診断をフォロー担当者にも受けていただいて、内定者と同じタイプやスタイルの担当者を当ててください。同じタイプの担当者との会話では仕事のとらえ方、働き方のイメージがよりリアルに伝わります。すると、知りたいことを同じ目線で語ってもらえるという内定者の共感が高まることになります。
このような取り組みでどの位成功しているかというと、ある企業の例では、実施前と実施後とでは、内定辞退率が約2割低減することができました。本日はその成功の秘訣を紹介いたします。
内定辞退を防いだポイントは、内定者の性格に応じた、心に響く、共感をもたらす“キャッチトーク”を投げかけ、当社に“惹きつける”というものです。ただし、これには落とし穴があります。人は自分に似た人は理解しやすく共感を抱きやすいのですが、自分と異なる人の良さは見えにくいということです。皆さんも、ご自身の視点で人材を見ていらっしゃるということはありませんでしょうか。人と自分は同じではないということを理解していただきながら、違っていて当たり前、その違いに関心をもつ、違っていることを前提に対応することが大切になります。
そのことを前提に、心を惹きつける3つのアプローチがあります。1つめは、組織の中で好む役割から働くイメージを持ってもらうとアプローチ。2つめは、認知・思考スタイルから褒めるポイントを見つけるというアプローチ。3つめは、働く動機に合わせ会社の魅力を訴求するというものになります。

第1のアプローチ:働くイメージを持ってもらうには

1つめのアプローチは、性格診断から分析される人材類型の一つ、「役割志向8タイプ」に基づくものです。組織の中でその人が果たしたい役割からCL1~CL8の8つに分類したものになります。事業などが新たに生まれて、育ち、成熟していくという過程、そしてそれが安定的に受け入れられていくという流れの中で位置づけられ、大別すると3つのグループがあります。CL4と5の《ゆらぎ》グループは、は「このままで良いのか」と0から1を掘り起し、組織にゆらぎをおこします。CL6・7・8の《発展化》グループは、そのゆらぎを受けて「こうすべきではないか」と発展させていくことを好む方々になります。CL1・2・3の《最適化》グループは、構築されたものを効率的、安定的に回していくことが得意な方々です。

こうした、それぞれの個性に応じた対応が大事になってきます。
CL1を例にすると、《最適化》グループに含まれ、安定を求める傾向があります。組織への所属欲求が強く、柔軟に合わせていこうとする面があるので、「一緒に頑張っていこう」という心的な距離を縮めていく関わりが重要になってきます。

性格から導いた役割志向8タイプそれぞれの性格の近さをサークルであらわすことができます。この図での距離は相性と言いかえることができます。中央にあるCL1はどのタイプとも相性が良いことを意味しています。
例をあげると、独立独歩を好むCL4同士だと、「あなたの力で変化をおこしてね」というと「がんばります」と内定者には響きやすいのですが、協調を好むCL8が「一緒に組織をよくしていこう」といってもCL4の内定者には内心ピンとこない可能性があります。相手がどういう性格のタイプなのか、何を好むのか嫌うのかを理解した上で対応すると、話しやすいなというような親近感を内定者に持ってもらうことができます。

そしてできれば、フォロー担当者も内定者と同じタイプまたはグループを当てていただければと思います。なお、キャッチトーク集の人物理解は、担当者にも当てはまります。
今まで面接や内定にかかわられて、何か違和感があったり、逆に相性が良かったりというのは、その時のタイプがどうだったろうか振り返っていただくと、実感を持ってご理解をいただけます。現在フォローがうまくいっていない内定者がもしいらしたら、「こういうところに気を付けてみよう」というふうに使っていただければと思います。

ところで皆さんは、この3グループのどのタイプに属していらっしゃると意識していただくことはできますでしょうか。
例えば、《発展化》の担当者が《最適化》の内定者をフォローしていく場合、おとなしくて物足りない、距離感がある、もっと情熱をもって向かって欲しいなどと、ネガティブに感じてしまう恐れがあります。その対策として、話を聞く時に元気がないという印象で決めつけず、話の内容や主張そのものに着目して判断したり、発言の裏にある周囲への気遣いや自分を律していることに思いを馳せて質問してみたりと、留意することです。内定者にとって印象を悪くしないで、自分の意見を引き出してもらっているという実感を与えることができると考えています。

次に、8タイプを使った他社の取り組みをご紹介します。A社様は、学生と同じタイプのリクルーター、面接官を配置して内定辞退を抑制していらっしゃいます。B社は、前年採用した学生の8タイプ構成を確認すると偏っていたことが分かったので、翌年はダイバーシティを意識され、採用時に確保したいタイプ(採用ターゲット)を定め、性格診断でタイプを判定して確保します。前年は1人も採用していなかったCL4「群れずに進む」を受け入れるためにマネジメントを強化しています。C社は、応募時に8タイプを判定し、タイプごとに異なる採用基準で選考を進めています。

第2のアプローチ:褒めるポイントをどう見つけるか

2つめのアプローチは「認知・思考スタイル」を用いて、褒めるポイントを見つけることです。

認知スタイルは図の横軸であらわしています。左側は枠組みや原理に目が行きやすく客観的に整理するスタイル、右側は事柄やエピソードに目が行き、興味や関心でとらえていくというスタイルです。思考スタイルは縦軸であらわしています。上側は納得してから次に進むという自力探索で学ぶスタイル、下側は教わる知識は丁寧に受け止め、素直にまんべんなく学ぶスタイルです。この二軸を組み合わせ、A(アーティスト)からE(ニュートラリスト)までの5つに分類しています。
では、何に着目して褒めるべきか。例えばAは視野に対する刺激に対して鋭く反応し、そこから豊かに発想を広げていくスタイル。ひらめきやアイデアに自負心を持ち、ルールに縛られるのが不快であり、定められた軌道を乗り越えて動くことを好むので、「するどいね!」や「いい勘をしているねぇ!」と、感性の鋭さや視点の拡がりを褒めるとよいでしょう。どちらかというと企画開発で新しい商品アイデアを出すのに向いています。

余談になりますが、学生さんの多くはCスタイル(モラリスト)でして、6割を占めています。A、B(リベラリスト)、D(ストラテジスト)、Eは概ね1割ずつといった分布になっています。

第3のアプローチ:働く動機に応じて会社の魅力を伝える

3つめのアプローチは、仕事の動機3群6項目を用います。これらの相対比較を用いて、モチベーションの強さ(重み)を示しています。この動機項目はES(就業満足)を維持・向上させるために極めて重要な視点となります。

《内的系》とあるのは、力や強みを活かして働ける、努力と緊張が求められる取り組みであることが内発的なものを引き起こし、関わりたいと思うような動機になります。《外的系》というのは、社外からも認められ評価される、顧客の満足や喜びを得るという、他者からの目やその関係づくりに関わる動機になります。《報酬系》は努力に応じた収入で報われるとか、努力に応じて権限・裁量または名声を得るという、働きに対してもたらされるものに価値を置く動機となります。
キャッチトークについては、一般的にこういう問いかけをしたらいいでしょうという例を用意していますが、動機を刺激するということでは、それぞれの会社ごとの言葉で作っていただく必要があると考えています。例えば、ベンチャー企業の場合、能力を発揮することが高い人物への訴求ポイントとして、以下のキャッチトークが考えられます。「最新のITスキルを現場実践の中で、身につけることができます」とか、「若い方のアイデアもどんどん取り入れる風土があり、プロジェクトリーダーとして活躍する方も大勢います」というように、会社の特徴や強みを訴求できると効果的です。

今すぐできることは

以上が内定者の心をつかむ3つのアプローチです。その結果、冒頭にご紹介したように、内定辞退率の2割低減に成功した会社もあったわけですが、それだけにとどまらず、我が社に欲しい人材を内定承諾までとりつけることができたということで喜ばれておりますし、この取り組みを続けていただいております。
本日紹介した内容で、すぐに取り組んでいただけることもあると思います。
例えば、①内定者に対する診断フィードバック、その際にできれば、②内定者と同じタイプのリクルーター・先輩社員をフォローにつける。ぴったりの担当者がいない場合は、自分の性格との違いを意識して内定者の人物像に合わせて語るということを意識する。③相性サークルを意識した上でタイプを見て懇親会などの組み合わせを考える。
適性検査をまだご利用いただいていなかった会社でも、「自己分析のため、結果をフィードバックします。」といって内定保留者を含めて案内をして、喜ばれたという事例もございます。これからご検討の場合もお気軽にご相談ください

また、本日は割愛いたしましたが、10月の内定式後の取り組みについてもこの診断結果を活用していただくことができます。④ビジネスマンになる上での課題を明らかにする、⑤入社後のキャリアプランや目標を考える、といったテーマで語っていただくことが可能です。

せっかく見つけた原石を逃せないためにも、学生の心をつかむか関わり方をする必要があります。人によって響く言葉や魅力に感じるポイントは異なりますので、個々の特性を理解し、ツボをおさえた関わりをすることで、欲しい人材を逃がさず入社まで導きます。適性検査eF-1Gを活用して、採用を成功していただきたいと願っております。
今後は、採用時のデータを入社後の育成・登用に活用されている事例も紹介していく予定です。どうぞご期待ください。

まずはお気軽にお問い合わせください。

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