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「20採用の学生傾向について」
~“成長ポテンシャル”に着目した採用と育成に向けて~

2019/07/07

eF-1G
  • 語り手 株式会社イー・ファルコン
    R&Dチーム

※登場する方の所属企業、役職等は当時のものとなります。

はじめに

6月1日の採用解禁から、7月1日時点での内定率が85%を超えたという報道があった2019年の夏。依然として続く売り手市場の中、今年度は、経団連からの“通年採用”に関わる見解に基づき、選考プロセスの再考など、多くの企業が次年度以降の対応を視野に入れ活動に取り組まねばならない状況だったともいえます。

一方、学生側に目を向けると、20卒の大学生が受けてきた教育環境に変化がありました。1995年度生まれ(2018年入社)までのいわゆる“ゆとり教育”のカリキュラムから、1年の移行期間を経て、 1997年度生まれ(2020年入社)からは“脱ゆとり教育”カリキュラムへと大きく変化しています。

こういった中、学生の特性には変化が見られたのか、適性検査eF-1Gを受検した学生の結果をもとに、19採用とあわせて、20採用の全体傾向とその考察をご報告します(対象期間:2018年12月〜2019年5月末)。

性格特性と役割志向8タイプの変化

まず、性格特性について、19採用と20採用の応募学生の共通点と相違点についてみていきます。
両者に共通して認められるポイントとして次の2つがあげられます。

1つ目は「人との繋がりを広げるより、目の前の相手に真摯に向き合い応えようとする傾向」です。
具体的な特性項目で比較すると、【コミュニケーション力】の[相手の意図・背景を理解する力]と[人と深い関係を築く力]が高い一方、[自分の意図を的確に伝える力]と[関わりを広げる力]が低くなっています。【基本特性-関係系特性】では[誠実性]、[協調性]、[献身性]の各特性が高く、[外向性]は低くなっています。また、【業務上で注意すべき傾向性】では [感情を抑え込む傾向]、[慎重になり過ぎる傾向]、[自分の意見が言えない傾向]が高くなっています。

2つ目は、「自ら旗を掲げるよりも、言われたことを謙虚に受け止める傾向」です。
特性項目からは、【基本特性-自己系特性】での[主体性]の低さ、【エモーショナル特性】での[社会的開放性]、[素直さ]の高さと[前向きさ]、[熱意]、[知的好奇心]の低さ、【自己形成を支える経験の豊かさ】での[自己客観性]の高さと[計画的有能感]の低さなどが認められます。また、【業務上で注意すべき傾向性】では[他者を攻撃してしまう傾向]、[指示・管理を好まない傾向]、[自分が優れていると思い込んでしまう傾向]が低くなっています。

19採用と20採用の応募学生の差に着目すると、20採用では19採用よりも【能力特性-応用系能力】の[計画力]の上昇と【基本特性-自己系特性】の[緻密性]が上昇し、[積極性]、[明朗性]が低下していることなどから、冷静に物事を見つめ、綿密な計画を立てて進めていこうとする「手堅さ」が20採用ならではの特徴として現れています。

次に、役割志向8タイプの観点から見てみると、近年の学生の傾向として、自分の価値観や考えを大切にしようとする[ゆらぎグループ]が占める割合が増えつつあることは以前よりお伝えしておりました。

19~20採用にかけては、[ゆらぎグループ]がやや少なくなる一方で、他者との関係や絆を大切にしたいという [周囲の流れに合わせるCL3(ヒツジ)]や[周りをサポートするCL8(サル)]が微増しています。このことから18採用までの学生と比較すると、自分の価値観や考えを大切にしようとする[ゆらぎグループ]よりも、他者との関係や絆を大切にしたいというタイプの傾向が強まっていると考えられます。

ここまでみてきた傾向の変化を一言でまとめると、「謙虚に手堅く目の前の相手を大切にし、人と良い関係を築こうとする」傾向が強まっているといえます。脱ゆとり教育による影響かどうかは、一概に論じられるものではありませんが、企業が不透明な時代を切り開くべく、「自立能動的に、未知なことにも挑戦していける人材」を求める場合には、その期待とギャップのある変化といえそうです。

こういった傾向性を踏まえ、企業はどういった点に留意して採用活動ならびにその後の育成を考えていくのがよいのでしょうか。

【分析結果①】

役割志向8タイプからみる20卒学生の“成長ポテンシャル”

売り手市場が続く中、企業の主たる近年の採用課題は、求める人材の確保であることは論をまたないと思います。「欲しい人材を定めていても応募がない」、「内定を出しても来てくれない」という悩みは、年々強まっている状況です。そこで、本稿で提唱するのが、“成長ポテンシャル”に着目した採用活動です。

近年の当社の研究で、「パーソナリティは、経験とその意味付けを通してゆるやかに変化する可能性を持ったもの」であり、さらに「人によって変化しやすい方向性が異なる」ことが明らかとなってきました。これは、「きっと、このように活躍できるだろう」という“活躍ポテンシャル”の判断に加えて、「今の強みは○○だけど、きっと、このようにも成長できるだろう」という期待に基づいて判断することができるということです。

具体的にいうと、役割志向8タイプが[周囲をリードするCL6(ライオン)]でなかったとしても、ライオンタイプへの変化の可能性が高いかどうかを知ることが可能となります。

20採用の学生の役割志向8タイプの割合を再度見てみましょう【分析結果①】。

8タイプの中でも存在する割合が少ないものから見ていくと、CL7(ウマ・3.6%)、CL6(ライオン・7.8%)、CL2(タヌキ・8.4%)の3つが10%以下であり、10人と会っても1人もいないということが起こります。もし、この3つのタイプのいずれかが採用要件と合致している場合には、応募者を集める時点でかなり苦戦することになります。しかし、“成長ポテンシャル”に着目することができると、一気に視界が開けます。
【分析結果①】のグラフに現れているタイプというのは、その人が自然体のままで最も発揮しやすいものを表しているのですが、周囲からの様々な働きかけや新しい経験によって発揮される第2のタイプがそれぞれの人にあります。例えば、第1のタイプとして持つ学生の割合が少なかったCL7(ウマ)とCL6(ライオン)を、第2のタイプとして持つ学生の傾向を【分析結果②】から見てみましょう。

【分析結果②】

CL7(ウマ)の場合、第1のタイプがCL1(キツネ)の21.7%とCL8(サル)の28.0%の学生が、CL7(ウマ)を第2のタイプとして保持しています。同様に、CL6(ライオン)の場合、CL4(トラ)の38.0%とCL8(サル)の34.7%の学生がCL6(ライオン)を第2のタイプとして保持していることが分かります。
このように、第1のタイプから見ると数パーセントしか存在しないがゆえ、応募者を集める時点で苦戦するケースでも、第2のタイプまで広げて考えると対象となる学生の出現割合は倍以上になり、要件に合致する人材に出会える可能性が格段に上がることになります。

この第2のタイプを含む“成長ポテンシャル”は、当社の特許技術によって適性検査eF-1Gを用いて明らかにすることができます。本特許を生み出した「成長の因果」研究につきましては、下記をご確認ください。

“成長ポテンシャル”に着目した採用と育成に向けて

売り手市場が続く中、通年採用の動向を踏まえながら、採用したい人材の確保に苦戦している状況がある場合、新しいアプローチとしてその人の持つ“成長ポテンシャル”をしっかりと確認していくことが、打開策になりうると考えています。同時に、その“成長ポテンシャル”を花開かせるための入社後の関わりが重要であることは言うまでもありません。採用をゴールとせず、入社後の定着と成長、活躍をゴールにした人事施策の組み立てが益々重要になってくると考えています。今後、当社の「成長の因果」研究により、どのような適性を持つ人が、どのような経験をすると、どのように変化をしていくのかという因果関係を紐解いていきます。
まずは、適性検査eF-1Gによる“成長ポテンシャル”の可視化にご関心をいただいた方は、ぜひ下記よりお問合せください。

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