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お客様とプロの声

さくら情報採用最前線’20へ
第22回「個と組織の進化を考える会」詳細報告
オーディション型採用での見極めの確からしさと採用のPDCAづくり

2018/12/16

  • 語り手 さくら情報システム株式会社
    人事部
    宇治原光博 氏
  • 聞き手 株式会社イー・ファルコン
    執行役員 事業本部長 水須明

※登場する方の所属企業、役職等は当時のものとなります。

イー・ファルコンとの出会いと採用の考え方

イー・ファルコンとの出会いはさかのぼると8年前。その時に弊社が置かれていた状況は、常に採用を考える際に、理系人材を採用しようか、文系人材を採用しようかという議論がずっと続いていました。これに決着をつけたいとイー・ファルコンとの取り引きが始まったわけです。そこではまず最初に、さくら情報システムで人事が想定した通りの年数でキャリアアップしている人たちをベースに、ハイパフォーマー調査を実施しました。その結果どういったものが出たかというと、上位2割の社員というのは理系文系問わずハイパフォーマーでしたが、ローパフォーマーについては文系の方が陥りやすいという結果に至りました。文系6割の会社なので、結果としては衝撃的なものでしたが、理系人材か文系人材かという議論には決着がついて、理系を中心に採用していこうという方針が出ました。

最新トピック2つ 〈外国人採用がスタート〉

さくら情報システムを取り巻く今のホットトピックは何なのかというと、一つは外国人の採用となります。外国人の採用がスタートしたのは、今後のシステムエンジニアの不足に危惧し、それに先んじて動いた結果です。20日間程海外に行って、大学を回って、50人位の学生さんに会いました。そこで印象深かったのは、20人もの社員を抱える会社の代表をしているのに加え、2つのアルバイトを掛け持ちしていました。その他に別のIT会社では、AIの開発プロジェクトリーダーをやっている学生さんに出会った事です。ベトナム国家大学の准教授の方からは、こんなメッセージをいただきました。「ベトナムにたくさんの日本企業が人材不足解消のために来られていることを知っています。ただ私たちが求めているものはオフショアや仕事ではなく、日本ならではの最先端のおもしろい仕事を求めているので、人材不足の解消やオフショア以外の考えをもって採用に臨んでほしい」と。

オフショアや人手不足以外の目的は何ですか、と聞かれた時に、言葉につまってしまったのですが、実際に企業のトップ層の方は、それ位の覚悟でいないといけない、と改めて痛感しました。

もう一つのトピックは、これまで圧倒的に採用が多かったのですが、新卒と中途の採用人数が今年初めて逆転したということです。具体的にいうと、新卒採用20名。中途採用30名という結果となります。

会社概要 〈銀行の統合合併をITで支える〉

さくら情報システムという会社は、1972年以降、親会社である銀行の統合合併と再編をITで支えることを一貫して取り組んでいます。また、2008年からは親会社がガス会社(大阪ガスグループのオージス総研)と銀行(三井住友銀行)というユニークな組み合わせとなり、相乗効果によって、最適化や効率化が進んでいます。起源が銀行にあるように、マーケット評価としてはお金を管理することを得意としており、顧客の5割が金融に属し、その他が5割という割合で売り上げをあげています。

ステップ1:適性検査導入前 〈社会人基礎力を元にした面接官重視の選考〉

次に適性検査に関する取り組みについては、まず導入はどういう状況だったか、続いて導入後、そして導入後にどのようにブラッシュアップしていったか、この3つのステップでご紹介したいと思います。

まず導入前は、先ほども触れたように、勘と経験による面接官重視の選考が行われていました。私の採用のイメージとしては、将来就業したい会社の洗礼を受ける、そこから最終選考を経て内定の通知をもらう、すると普通承諾するだろうと担当者は思うわけですが、実はそんなに甘くなく、辞退も承諾も数多くありました。初年度についていえば、簡単ながら仕組化されていた採用自体を一から見直す必要があったというところからスタートしています。

それを打破するための打ち手の一つとして、2010年(2012年度新卒採用)当時、「社会人基礎力」という人事、学生、社内で共有できるキーワードがあったのはありがたい環境だったと思います。「社会人基礎力」の中で何を優先させようかと面接官と話をし、中期経営計画に掲げられている目標を達成するために、イメージしていたロールモデルを軸に役員とヒアリングを重ね、結果を出していきました。実際には、こんな人もいいよね、ああいう人もいいよね、こんなスペック欲しい、あんなスペック欲しいといって、結局出来上がった求める人材像を見てみると、こんな人どこにいるのかなという状況になっていました。それがどこに影響したかというと、もちろん選考です。確認する項目が非常に多く、エントリーから役員面接終了するまで段階を経て少しずつ確認していくので、その人をさくら情報システムの社員として受け入れるに当たって、欲しい人材なのか否かは最終面接が終わるまで出ないのです。結果的にどうだったかというと、定量的には人材確保することが何とかできました。が、時代背景として当時は6千人位エントリーを募っていたにもかかわらず(ちなみに今は三分の一の2千人位)、人は集まったがなぜ通過したかは分からない。課題をあげると、優秀層Top(トップ)2割というのはいるのか、Low(ロー)2割はきちんと排除できているのか、合格の基準は明確なのかというところに関していうと疑問符がつくというように、まだ面接官重視の選考だったかと思います。これが適性検査導入の背景になるわけです。

ステップ2:適性検査導入・初期モデル 〈ハイ&ロー パフォーマーモデル化〉

導入後にはまずハイパフォーマー調査を実施しました。さくら情報システムの人事評価は、ロー、ミドル、ハイと分かれていて、ハイ層が持っている要件を適性検査と引き合わせてハイパフォーマーを特定します。それはローも同様です。このようにハイ&ローを含むさくら情報システムの求める人材を再定義する際に、イー・ファルコンの適性検査eF-1Gを導入したわけです

【イー・ファルコン執行役員・水須より適性検査「eF-1G」の説明】
ナンバーワン、オンリーワン、トップクオリティを特長にしています。業界随一の194の視点で、広く深く人物像を探ること、さらに人の特性は一瞬を切り取ったものではなくて成長を遂げていくと考え、その動的な内面変化をくまなく見て行こうと開発されたもので、導入によって「らしさ」の棚卸を提案しています。

学生に同検査を受けてもらう前に、まず社員が適性を理解するために社内でハイパフォーマー調査を実施したのですが、その手順としては外堀を埋めていく活動が必要で、まず社長に説明することから始めました。その後、社員に向けてはこの適性検査の結果が会社の人事評価とは一切紐づきがないことなどを、一つ一つを丁寧に説明していきました。

ハイパフォーマー調査の結果、上位2割、将来のリーダー層、幹部候補が備える特徴としては、働きかけ力、創造力がある人、という輪郭がみえました。逆に採用してはいけない、当社のローパフォーマーに留まっている人の特徴としては、他人依存、八方美人。つまり、人によって態度が変わってしまう人、という要素を抽出することができました。下位でも上位でもない人の特徴としては、前向き、初心、誠実、柔軟というキーワードがあります。ボーダーとしてはネガティブ要素が低い、かつ合格要素を持っている人がラインに上がってくる、加えて優秀層が2割位あればいいという感じです。これで学生に伝えるメッセージは明確になったと思います。

適性検査で確認したいことはたくさんあるのですが、さくら情報システムで重視していることに関していうと、8つの項目以外は適性検査の結果として出したくないというのがあるので、カスタマイズを行い、その要素だけを抽出、確認できるようにしました。その結果、先ほどは定量的でしたが、今回は各項目の偏差値50以上の、良質共に良い人材を採用することができました。

ただ課題はまだまだあり、ストレス耐性はみるみる下がっていました。これは、学生さんたちがモノや情報に溢れ満ちた時代背景の中、以前のようなストレスを感じない世界で育ってきたからではないか、というアドバイスもあり、それまでの基準では通らなくなってきたということがあります。それとハイパフォーマーが昇格要件につまずく点を見直す必要があるというのも、ブラッシュアップのきっかけになったと思います。一番大きな課題としては、さくら情報システムが求めている人材を特定するのが主題となります。ただ、IT業界がめまぐるしく変化して競合も激化している中ではそれだけでは不足していて、IT業界全体として求めている人材を特定する必要があることから、それを特定するためにハイパフォーマー調査の実施をしました。上位にある「さくら情報システムらしさ」としては、状況に応じた誠実さ、本質を掴む力、自分の意見を発信する力、人のせいにしない姿勢です。ベースにある「IT業界の持つらしさ」としては、チャレンジする前向きさ、自分のペースに巻き込む力、変化に応じる力、他社と協働し乗り越える力があります。社内では当社が持つらしさはIT業界のハイパフォーマーとはズレていてもいいという議論があったのですが、より詳しく分析していただいた結果、トップ10という単位で割り出すと、IT業界のハイパフォーマーの持つ要素の中にもさくら情報システムらしさが含まれていることが分かって、ホッとした次第です。こうして、今年度の新たな人材要件ができあがりました。

ステップ3:適性検査導入後・精度強化モデル 〈業界特性とIT人材モデル化〉

そして、見極めの際には、余計な要件はいらないということで、ストレス・プレッシャー、活躍ポテンシャル、技術ポテンシャルという3つの局面で表示することにし、ストレス・プレッシャーの偏差値が40以下であっても、それを補う何かがあれば「ストレス耐性は低いが、それを補う素養を持っています」という注意書きを表示するようにしました。このハイパフォーマー調査の結果から、当社用にカスタマイズされた「ハイパフォーマー8(エイト)」が出来上がりました。

一つ前の分析結果と異なるのは、例えば以前の項目が弱い関係となったり、新たな要件が加わっていたりしています。また、それぞれの社員が経験する内容によってパフォーマンスが変わってくるというのも、分析の結果新たに分かった真実です。この取り組みの結果、先ほどと同様、定量、定性的に良い人材が採用できたのをはじめ、適性検査のポジティブ項目も上昇し、理系・情報系人材も内定者の9割を占めるに至りました。ただ、ここで言いたいのは、適性検査を導入したら右肩上がりで数値が上がっていくかというとそうではなくて、選考プロセスの相乗効果を得てこうした成果に至ると考えています。

当社の新卒採用の選考プロセスは、各段階で適性検査を活用しており、説明会、適性検査、個人面接、次に役員面接の前には社員交流会を行い、これまでの選考のフィードバックとして、「ハイパフォーマー8」の中でどこが際立っているかに着目しています。そして役員面接では、自分の強みを語っていただき、社員交流会(入社意思を固めるサポート)では、適性検査におけるネガティブ要素も研修で克服できることを伝え、内々定の研修の際には一人ひとりの内定者情報をグループ内で共有しています。

最初の説明会では、学生さんが評価してほしいポイントごとに、テクニカルコース(プログラミングを評価してほしい)、スピードコース(いち早く4月の入社までに自分を成長させたい)、アクションコース(じっくり社員と向き合いながら自分の価値観と突き合わせてみたい)と、3つの選考を用意し、選べるようになっています。

採用担当からのメッセージ

採用担当の心得としては次のようにまとめられます。文系なのか理系なのかFACTをおさえて、PDCAサイクルを回す。学生の力を信じ、向き合う。さらに、次年度のようにスケジュールの変化などがあっても、変化に柔軟に対応する。さくら情報システムはこういう人を求めているという要件が既に切り出されていたことで、アドバンテージがあったかなと思います。

今後に向けては、技術的な専門性の確認が必須になってきます。今の学生さんはデジタルネイティブという言われ方をしていて、iPadなどITと親和性の高いデバイスを常日頃から使いこなしているので、それと同じ目線であってはいけないと感じています。デジタルネイティブに対して評価すべきことは何なのかをしっかり確認する必要があると思います。あと目指すは「全員採用」(全社員で取り組む採用活動)です。採用担当だけが前に出て話すのではなく、社長から内定者まで、いろいろな側面を見てもらって、会社を知ってもらう必要があると思います。実は昨年度からさくら情報システムのキャラである「さくたん」を導入し、社員キャラ全員をあげて採用していこうと考えています。

質疑応答セッション

聞き手:株式会社イー・ファルコン 執行役員 水須明、会場
水須:適性検査を導入するに当たって、すぐに導入には賛同できない、といった抵抗など社内の調整でご苦労されたことはありますか。
宇治原:適性検査を実施することに対して、実は多少抵抗がありましたが、採用基準を皆で検討する、そのために協力してほしい、ということで了承を得られました。また、適性検査の導入で一番抵抗があったのは、自分たちの裁量が減ったということに対して、もっと自分たちの感覚で学生を評価させてほしい、そうでなかったら自分たちはいる意味がないというようなことを言われたのです。ただこの点に関しては、これまでは学生さんを評価する立場でしたが、仕事の面白さを一人ひとりが思いを語ってほしい、それをしっかり見極めていくために、皆さんの役割が大きく変わったのだ、ということを説明することで納得してもらいました。

水須:ハイパフォーマーの要件定義をする際、社内に協力を得るに当たって、その際のアナウンスのご苦労などは?
宇治原:当社は目的やメリットが何なのかという説明を丁寧にしてほしいという社員が多いので、その辺の対応はしました。当然のことながら、人事評価には直結しないことや、皆の協力の下で、採用基準を作っていきたい、といった思いを伝えました。更にその前には社長に適性検査を実施させてほしいという話を直接しました。社全体でこうした採用基準を言語かしていくことの了承を得た後に、また経営会議で役員全員に説明しました。現場とトップと両方への説明と説得が大事であるな、ということは改めて実感しました。

水須:8年間の中で定義や仕組みも変化し、その間にはご担当者間で引き継ぎもされてきたと思いますが、その中で大事にされてきたことは何でしょうか。
宇治原:時代と共に環境は変化しますし、その変化に応じて、採用に携わる側も変わっていくことをしっかり受け入れましょう、というのは伝えています。評価項目も分析対象が変わることによって結果も変わってきます。そうなれば、選考の仕方や見方、アプローチの方法などをトータルに考えることになりますので、おのずと採用の仕組み自体も変わっていくものだ思います。最近の例で言えば、ダイレクトリクルーティングのような新たな仕組みやサービスもあるわけです。変わることがたくさんあるのを踏まえた上で、変えてはいけないのは、学生にゆだね過ぎないということであって、コントロールは採用側がするということを意識して取り組んでいます。

会場1:ハイパフォーマーとローパフォーマーの定義については、仕事の分野によっては変わってくるように思うのですが、それはどのようにとらえていらっしゃいますか。
宇治原:会社の制度として、その人に課せられた役割に対してどの位パフォーマンスを発揮できているかということがベースとなっています。これは職種によって基準が異なりますので、それがスタートとなります。更に人事評価に基づいて、キチンと見合う評価がなされているのか、またそれは単年度ではなくて、数年間の評価結果の中で連続して高評価であるかどうか、といった観点もあります。それ以外に、やはり技術職であるので、必要な資格などを保有しているか、最低限クリアしなければならないものもありますので、そうした取得タイミングなどであったり、当然上司からの仕事ぶりや評価など含み、多面的に評価していると思います。

会場2:最後に触れられたダイレクトリクルーティングのところで、コントロールは採用側というお話でしたが、具体的にどういうことでしょうか。
宇治原:当社もダイレクトリクルーティングを実施したことがありますが、適性検査の結果をそのままマーケティングデータのように参考にして活用するのではなく、必要な要件を定めたオリジナルの帳票で評価することにしています。したがって、さくら情報で求められる人材要件の指標に適う人材を選別し、そこからアプローチするわけです。声をかけるきっかけとなるのは、さくら情報システムが求めている人材にフィットしているかどうかが大前提として存在している、ということになります。

水須:最後にお伺いします。2021年、採用の枠組みが大きく変わろうとしている中で、今後の課題というのはどのようにとらえていらっしゃいますか。
宇治原:先にもお話しましたが、思いとしては就職活動の環境や国の方針などが変わっても、変わらずに大事にしていきたいのは、全社員が採用に関わっていくことであり、未来ある人材を、全社員が一丸となって真剣に向き合って取り組んでいくことだと思っています。更には、さくら情報という会社自体の存在を知らない方もまだ沢山いると思いますので、知ってほしい人に、さくら情報システムという会社がIT企業の中にあるのだと気づいてもらう必要があると思っています。そのためには、多くの学生に知ってもらう活動が大事になりますので、ターゲットとなる大学とは密に連携する必要があると思います。

水須:本日は貴重なお話を頂戴し、ありがとうございました。

まずはお気軽にお問い合わせください。

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