お客様とプロの声

OfferBox×eF-1Gで採用市場に変革を起こす

2016/10/25

  • 語り手 株式会社i-plug (アイプラグ)
    代表取締役社長 中野智哉

※登場する方の所属企業、役職等は当時のものとなります。

就活サービスOfferBoxの3つの特長

――まず、i-plug(アイプラグ)の会社紹介からお願いいたします。

会社は2010年4月に立ち上げ、今、5期目に入るベンチャーで、大阪に本社、東京に営業所があります。従業員は57名になりました。事業内容は、新卒ダイレクトリクリーティングサービスの「OfferBox」で、現状、2017年に卒業する就活生の利用者は4万人。だいたい10人に1人(10%)位ですね。企業は1900社にご導入いただいています。

――OfferBox(オファーボックス)のサービス内容と強みについてお伺いできますか。

就活サービスというと、従来は企業が要望を出し、学生さんがそれを見てエントリーするという仕組みでしたが、OfferBoxではまず学生さんがプロフィールを公開して、そこに企業からオファーするというように真逆に変えました。学生さんのプロフィールが就職活動に限らず、普段の写真や動画、また幼少期や学校時代に何をしていたかなど、自分でアピールしたい情報を載せられるようになっていて、この情報量が非常に多いのが2つ目の特長です。履歴書やエントリーシートでは分からない人柄が見えるようにしたいと考えたわけです。3つ目の特長も業界初になります。企業の方からオファーが来るというのは今までの就職ナビでもなくはないのですが、例えばある学歴で検索したらそこに一斉に送るという仕組みをあえて真逆にして、一人ひとりにしか送れないというようにしました。さらにその送れる数が、1社当たり100名までという上限を設けてあります。学生さんの方も無限に受けられるのではなく15社まで、選考辞退などするとその範囲内で入れ替わるというようにしてあります。4つ目の特長は、企業料金のところでして(学生さんが無料なのは他と同じ)、初期の登録は無料、1人採用できたら30万円と、市場の平均価格からいうと三分の一になっています。

ミスマッチはコミット力の減退から

――貴社は「ミスマッチを減らす」というメッセージを強く発信されていますが、その課題を持つに至った背景について教えていただけますか。

前職はインテリジェンスという会社で10年間、転職とアルバイトの求人メディアの営業をやっていました。当時は営業も取材をしていたので、方々の企業で話を聞いていると、入社して2年で辞めて転職という人が多くて、そこにずっと疑問を感じていました。また、グロービス経済学部というビジネススクールに入り、学生向けに経営学(MBA)を教えるというボランティア活動をしていたのですが、関西の有名大学の優秀な学生が、会社は修行なので1、2年で辞めるというような話をしているので、これはヤバいなと思ったのです。ミスマッチは自分のキャリアに対して大きな打撃を与えるのに、皆、とても軽く考えている。その原因は何だろう、と。入社して辞めた人も、入社前の学生さんの意見も、両方聞いていたので、これは結構深刻な問題だ、何とかしなければと思ったのがきっかけです。

――ミスマッチの原因をあげるとするなんでしょうか?

かなり多岐にわたる複雑な問題ではあるのですが、離職の理由としては、一番多いのが人間関係、次が給与、その次が職種適性。結局、人間関係で辞めるというのはヘンな話で、そもそも人数の多い会社に仲間入りするのだから自分が変わっていかなければならないのに、1、2年で合わないから辞めるというのは、小学校に転校して合わないから辞めたいというのと同じですよね。今のキャリアの感覚というのは、自分に合った会社がどこかにあると思っている。その会社のやりたいことに共感して入っているのであれば、そこの文化や価値観に合わせにいかない限り実現できない。自分が変わっていかなければならない割合の方が多いと思います。おそらく入社時の覚悟の問題であって、覚悟さえあれば大多数は乗り切れるようなレベルではないでしょうか。病気になった場合は別ですよ。ベンチャーでいきなり全部の仕事を任されるのと違って、通常の会社なら3年間位やらないとその業界のことは分からないものです。1年や2年の新人レベルの経験は、転職市場から見てもあまり価値があるものではないので、他に行ってまた一から始めなくてはなりません。なぜそういうコミット力がなくなってきているか、覚悟ができなくなっている状況なのかということです。

背景にある構造的な問題にどう向き合うか

――市場環境の外的な変化もありますね。

過去10年間で何が変わったかというと、エントリーする企業数が無茶苦茶増えているのです。昔はナビがなかったからエントリーできなかった分、もっと1社1社、一人ひとりとじっくり話していたと思います。今では一次面接が3人で45分しかないという事も多くあります。15分では分かるわけがない。そこからコミット力が弱っている。もちろんそこだけが原因ではありませんが、その変化が一番にあるので、元に戻したらある程度のことは解決するのではないかと思っています。

外部環境の大きな変化でいうと、まずIT化の影響は大きいですね。そして景気が30年伸びていないということ。成長期に必要な能力と成熟期に必要な能力は違います。これ以上エントリーが来たら困るという上限はあるはずなのですが、来れば来るほどいいみたいになっていて、大量の人をさばいていくと一人当たりのコミュニケーションが希薄化していくという問題がおこって、どんどん悪化しているのではないかと感じています。転職活動は1人20社に対し、就職活動は1人平均100社エントリーと、5倍。テクノロジーからおこった問題で、誰も解決しようと思っていない。人間は出会いの機会が多すぎると困るものなのです。

――出会いの機会が多すぎると困ってしまう、これはまさに学生も、企業にも言えることですね。

もう一つは、会社にとって必要な人材の定義ができなくなっているのではないかということです。成長期は大量生産大量消費のため、それを実現する会社は業務の処理スピードが求められるので学歴が高い方がいい。これが成熟期になっていくと、供給過多になって人と違うものを欲しがるようになります。まさに iPod、iPhone、iPadの商品戦略でそれを体感しました。最初は同じものでも、色や形のバリエーションが出てきて、さらに新しいイノベーションが求められるというように。今の就職状況は学歴上位に企業が殺到し、学歴フィルターにかけられてしまうと、それ以外の学生さんはチャンスがなくなる。皆よいと思ってやっているので何も改善しないという構造の中で、ミスマッチは必然的におこっているということがいえます。悪い機能が残っているのを変えるために、別の観点から仕掛けを打てば、市場自体がよくなるのではないかと考えています。

採用市場において変わるべきは企業側

――景気の悪い買い手市場では、採用場面では企業が学生を選べる状態にありましたが、2年前位から売り手市場になってくると、内定承諾をなかなか得られないようになってきています。同じ対象群を狙うとなかなか成果が上げられないということで、そもそも追うべき対象群がどこにいるのか、求める人物像がどういうものなのかを明確化したいという要望が増えているように思いますが、いかがでしょう。

企業からすると、変わらなくてはいけないという時期がたまたま来たのですが、本質的にはもっと昔からニーズがあったのに、そこに着目しなかったということですね。就職する学生は約42万人に対し、仕事が70万件あるので、35~40%の企業は「採用計画を達成できませんでした」で終わってしまう。もう一つは就職活動の時期が2年連続で変わったので、大混乱したということもあります。昔の12月公報解禁、4月選考開始の時は、大きな流れでは大手が先に内定出し、終わってから中小企業が出すという構造でしたが、3月解禁で8月選考開始になるとこれが真逆になり、中小が先に内定を出して次に大手となり混乱しました。今は3月解禁6月選考開始になって、2つがかぶってさらに訳が分からなくなったので、このままのやり方ではダメだから抜本的見直しをしよう、活躍をする人を採ろうというところに来ています。そのど真ん中にあるのが、「学歴以外の要素」にまで踏み込んでいくことのできるアセスメントです。

――人事の方が危機感をもって徐々に変わり始めている中、学生さんたちが内定を多くもらえる時期になったので、大手志向の保守的な傾向になっています。両者が同じタイミングで変わっていくことができればいいのですが、学生さんに対する働き方はOfferBoxで何か工夫されていることはありますか。

OfferBox自体がその働きかけのイメージでして、学生さんがそこまで自分の情報を出すというのはかつてなかったと思います。OfferBoxの学生さんに対しては、私服OKで企業が面接やっているところも多いんですよね。弊社に来る学生さんも全員私服で、ハーフパンツの人もいます。その方が分かりやすいし、普通でよいのだよ、と。学生の状態で、スーツ着て社会人っぽく見せなくていい。見せ方や礼儀マナーなんて入社直前や入社してから学べばいいので、ありのままを見るのが大事なわけです。それと、就職活動の市場は、学生さんにこうあるべきだというのは難しいし、あまり画一的にやらない方がいいかなと思っています。いろいろなポテンシャルを持っているのに、一方向に持っていくのは、成長期でもないこの時代に合わないですね。こうやったらいいよというような答えは無限にある方がいいのではないか。そうでないと、市場を変えるような人、新しいトレンドを作るような人はなかなか出てこないと思います。こと就職に関しては、学生はド素人なのは当たり前で、企業はどういうタイプが自社に合っているかはある程度分かっているので、変えるべきはプロである企業の方なのではないかと思います。

i-plugとe-FALCONの出会いと取り組み

――イー・ファルコンも個社ごとの活躍要件という考え方を大事にしていまして、一般的に「いい人」「悪い人」と分けて採用する時代は終わったと考え、その企業で活躍できる人、なじめる人というところを探していきましょうという支援活動を、2003年にeF-1G事業を開発してから続けてきました。そんな中でi-plugの中野さんとの出会いはもう2、3年前になりますでしょうか。

最初の出会いは3年前位ですね。結局、企業が学生を探すとういうのは何かで絞っていかなければならないのですが、学生さんの書くプロフィールの情報で絞りこんでいくとしても限度があって、学部学歴、性別、資格、志望の業界など、将来の活躍とはあまり関係がない軸だと思うのです。その時に「適性検査」に僕も注目していまして、選考時にやるのであれば、先にやったらいいではないか、と。実は数社に資料請求した中で、1社だけ会ってくれたところと話をしていたのですが、考え方が全然違うのです。我々は「ミスマッチの市場を変えよう」というのに対し、「その学生の情報が欲しい」「それで商売になる」というような感じだったので、ここと取り組むのは難しいなと思っていました。そんな時に紹介されて偶然会ったのが、イー・ファルコンの志村社長。とてもマニアックに、細かな分析資料を大量に出して、人材の特性を細かく見る必要性を説明してくださったのに惚れ込んで、どうしても一緒にやりたいと、今に至るまでこことだけという思いで追い回しています。それだけ衝撃的でしたね。僕自身も求人メディアのマニアなので、ほぼ全媒体の裏情報まで知っているからこそ、直したい、良くしたいという気持ちが生まれるので、この領域での近い匂いを貴社に感じたのです。その時と今の大きな方向性はまったく一緒です。ただ一緒に取り組むと、お互いにビジネスの邪魔になるリスクが多分に出るので、それをどう実現していくか、検討に時間をかけました。また弊社も当時は3期に入る前だったので、もっと会社を大きくして、市場にインパクトを出せるところまでいかなくてはならないと思いました。

――一般的に適性検査というと、30から60項目位なのに対して、eF-1Gは194項目ときめ細かさでは群を抜いています。

それがグサッとささりまして、この人、本気だ!と思ったのです。それに楽しそうに話している人にこの業界で初めて会いました。

――eF-1Gの開発経緯に、これまで様々な企業の適性検査を開発していた過去があります。その様な中で、ある会社から、「これから市場が変わっていくから創造的な人材を100人採りたい」という依頼があり、創造性テストを開発し、創造性の高い人材の採用を実現したのですが、1年後に全員辞めてしまったということがありました。そこでの学びは、求める人材というのは、市場の変化に対応してこういう人材が必要というだけではなく、その会社に定着して、パフォーマンスを出す人材でなくてはならないということです。この会社の場合でいうと、一般的に創造性の高い人材を獲得するのではなく、会社に定着し、創造性を発揮する人材を採用しなければならなかった。個社ごとの活躍要件を抽出し、本質的な人材要件定義を可能とするためにeF-1Gは誕生しました。そして、18採用からeF-1GとOfferBoxが共に取り組んだサービスである「OfferBox プレミアム検索 eF-1G」が実現します。eF-1Gをどのようにとらえていらっしゃいますか。

現状では、多くの企業が学歴に引っ張られ、人材の採用を行っています。企業が1000社あれば、活躍する人材像は1000通りあるはずであり、今の一極集中が必ず分散するという世界を作るためには、eF-1G位のメッシュの細かさがないと、計算上は実現できても、精度が上がらないから納得されないと思います。適性検査の魅力は、学歴という限られた軸によって限定されていた可能性を一気に広げ、それぞれの強みを見える化し、可能性を見出すことです。日本の良さは、社会人になってからも大逆転できるじゃないですか。アメリカのように大学に行かないとホワイトカラーの職種にはつけないというのはない。もちろん壁はあっても、他の国と比べたら挽回のチャンスがあるので、そこにスポットライトを当てて、2000通り、3000通りできれば、少なくとも先ほどの市場の成長期・成熟期の問題は多分解決できると思います。技術革新のITの方は、OfferBoxのルールの整理や新しいモジュールを入れることで解決できる。これで2つの大きな課題をクリアできるのではないかと考えています。

今後はチーム発想でパフォーマンスを向上

――イー・ファルコンも数百社でハイパフォーマー分析とか人材要件定義を行っていますが、同じ営業でも個社ごとに活躍する人物像が違ってきます。今までアナログなやり方で少しずつ広げていたものを、今回のOfferBoxとのコラボによって我々が実現しようとしている世界が広がるのではないかと期待しております。

この規模感でやる会社はまだ数年は出てこないと思います。最近では採用メディアに適性検査を導入し人工知能に分析させるサービスが出てきています。ですが、そもそも適性検査も人工知能も一定のボリューム数がないと精度が上がりにくいですし、マッチした人材が見つからなければ採用ツールとして魅力が半減します。4万人以上というある程度のボリュームを持っている状態でスタートできるのは相当のパフォーマンスだと思います。外から見てよくできている類似サービスは出来ても、実際に使ってみて満足するというのはそう易々に出来ない世界です。メッシュを細かくするのはかなりリスクのあることですので、そういう意味でも一番いいタイミングでスタートできるのではないかと思っています。このままでいくと、2018採用の学生さんの登録は5~6人に1人位の7万人位までいくと思います。

――今、2017年の振り返りの分析を各企業さんとやらせていただいていますが、母集団自体の質が変わってきているといわれます。今までナビで入ってくる学生さんたちは、適性検査で見た時にポジティブな性格特性を持った人たちが多かったのですが、それが年々下がってきていて、企業が求める人はどこに行ってしまったのか、どこに捜しにいけばいいですかというような質問を受けます。OfferBoxでは、学生が事前に適性検査の受検を終えていますから、入り口の段階から、確かな根拠を持って学生を絞り込むことで、一人ひとりと向き合い、じっくりコミュニケーションをとっていく、「効率性」「質」を同時に担保した採用が実現できることを期待しています。来月からキックオフのサービスですが、今後はさらにどのようなサービスにしていかれたいと考えていらっしゃいますか。

人がパフォーマンスを発揮している理由に関しては、個人の特性に限定されない要素も多分にあるのではないかと思っています。活躍するというのは、パフォーマンスが高く、長く居続けるという、タテとヨコの時間軸が両方そろわないと企業側としてはダメなわけですが、定着するというのは本人が定着しやすいだけではなくて、いろいろなチームワークがあるから活躍していけるという、周りとの相乗効果もないとダメで、そこまで踏み込めるサービスにしていきたいと思います。新卒は1人だとなかなか難しいので2人とか3人とか、チームでバランスをとろうという発想ですが、これにフィットするサービスはまだないので、チーム採用は今すぐにでもやりたいですね。

――これから、益々コラボレーションが深まっていきそうですね。今日は貴重なお話をありがとうございました。

まずはお気軽にお問い合わせください。

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