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『ジャパニーズビジネスリーダー・加速的輩出ヘの挑戦』
~一気通貫のしくみを実現する”コスト・フォー・バリュー”の思考~

2016/01/13

  • 語り手 日産自動車株式会社
    人事本部 日本人事企画部 人事企画グループ 担当部長
    (兼)日本タレントマネジメント部 日本タレントマネジメントグループ 担当部長 山極 毅 氏
  • 聞き手 株式会社イー・ファルコン
    代表取締役社長 志村 日出男

※登場する方の所属企業、役職等は当時のものとなります。

今日の我が国おいて、優れた人材の出現を“自然発生的”に待つ猶予はない。企業の持続を可能とするためには、より確かな根拠に基づいた人財の流れづくりが不可欠である・・・。 この新春号は、日産自動車において、本社人事と世界のリージョンとの連携により、「和魂」と「多才」を持ち合わせた人財群である「ジャパニーズビジネスリーダー」たちを、計画的かつ加速的に輩出する仕組みづくりを手掛けた、山極毅(やまぎわたけし)氏との対談から、日本企業の持続的な成長・発展を支える人財要件やその育成の方法、更にはその活動に対する全社の合意形成を成功させた理由へと迫ります。

新たな日本人リーダーの輩出へ

志村:昨夏、日産自動車の採用・育成に関する、山極さんの講演が大きな反響を呼びました。まずは、その取り組みの内容からご紹介下さい。

山極氏:それでは、初めにこの取り組みが生まれた背景から申し上げます。

当初、国内生産・海外輸出を中心としていた我が国の自動車業界は、円高の進行に随って、生産拠点、開発拠点、さらに営業拠点の現地化を推進してきました。その結果、日産自動車の海外販売比率は、2014年には83%、2015年は90%へ達する見込みです。しかしそれと同時に、現地の有能なタレントを採用して重要な役割へと登用し続けることによって、現場における日本人の活躍の場が減り、異文化の中で外国人をマネジメントする機会が減少するという問題が生じました。

志村:リージョン(海外の各拠点)における、キーポジションの外国籍者の割合が、88%に上ったと伺っています。多くの企業が、人財のローカル化をいかに進めるかという課題を抱える中、まず貴社がこうした状態を実現しているのは極めて稀なことです。

山極氏:皆さんが、そこで苦労なさっているというお話を伺います。ただ、我々が有利だった点として、日産がM&Aで拡大した会社でなかったことが挙げられます。輸出から始まり、その受け入れ先に工場を作り、その中に生産機能、開発機能、企画機能をつくるという一連の歴史を共にしたことによって、現在の海外子会社と根底に流れるものが共有できたと言えます。

これが、もし会社や事業を買収していた場合、さらに多くの課題に直面していたと思います。文化や慣習、また価値観の違いに対して、時間と手間をかけてコンセンサスを形成し、かつ従業員のモチベーションを維持しながら同じベクトルを向き、人事制度を統合・調整する・・・そうした気の遠くなるような作業を要したことでしょう。

それを前提に、無理に日本人の幹部を送り込むことなく、現地での採用と登用を、忍耐強く取り組んできた結果、辿りついたのがこのキーポジションの割合だったと言えます。

志村:そしてこれまで通り、現地の人財の流れを尊重しながら、新たな日本人のリーダー育成に取り組まれたわけですね。

山極氏:カルロス・ゴーン社長は、「日産は日本発のグローバル企業であり日本のDNAを持っている、これが我々のマインドセット(意思決定の前提となる基本認識)だ。海外で受け入れられているのは“日本車”だからであり、日本車の良さをつくったのは日本人であるのは否定できない。したがって、日本の人財が続々と出ないと日産は続かない」と語りました。

これが起点となり、優れたリーダーの出現を自然発生的に待つのではなく、ジャパニーズビジネスリーダー(以下「JBL」)をもっと計画的に、そしてもっと加速的に輩出すべく、新たな採用・育成のプログラムづくりに取り組んだというのが、昨年の講演内容でした。

完成した仕組みは、大きく4つの活動で構成されます。まず一つめは、新卒採用の強化です。 日産全体の採用枠に対して、さらに10%程度の人数をJBL候補独自の採用枠として増設しました。

次に、JBL候補者の育成では、既に新卒で入社して3年目ほどのメンバーの中から、50名ほどを選抜して、海外の“修羅場”に半年間送り込みます。

志村:このメンバーたちの選抜は、どんな方法で行うのですか?

山極氏:自薦と他薦を併用していますが、我々の願いとしては“邪な野心”ではなく、“健全なる野心”とも言うべきものを持った人に、名乗りを上げてもらいたいと考えています。例えば、それは「日産とルノーの全従業員を、俺の力で幸せにしてやる!」と心の底から思える人、といったイメージです。

さらに、入社5年から7年(20代後半から30代前半)位のメンバーからは、20名ずつ程度を選抜し、もう一段上のアサイメントで海外へ派遣するか、国内でこれまでとは全く違う分野(クロスファンクション)を経験してもらいます。これは例えば、なまった英語しか話せない現地のディーラーの社長様と丁々発止しつつ、PL責任を果たしていくといった、かなりタフな仕事です。

そして、30代後半から40代前半にかけて、ビジネスリーダーのポストにつく直前の候補者たちについては、360度のアセスメントをやり、丁寧なフィードバックを地道に繰り返しています。

以上、4つの活動が一気通貫する仕組みを数ヶ月間で構築し、世界のリージョンと協力体制を組んで始動させました。

仕組みのコンセプトは「和魂多才」

志村:こうして築き上げられた仕組みの骨格であり、これから輩出すべきJBLに求める要件を、「和魂多才」と表現されています。それは“日本の良さ”と“世界の良さ”を合わせ持った人財という意味であると伺いましたが、是非その内容について教えてください。

山極氏:まず初めに「和魂」とは、主体性、チームワーク、実行力の3つから成り立っています。チームで主体性を発揮しながら、確実に最後までやり遂げるという実行力。そういう日本人の強みを「和魂」と呼んでいます。「自分のタスクはここからここまで」といった、自分の活動範囲を限定するのではなく、周りに気を配りながら仕事をするというマインドです。

この「和魂」を定義したプロセスは、まず既に活躍しているビジネスリーダーの代表者たちの経験と特性を棚卸ししつつ、さらにこうしたリーダーたちに“もっとこうなってほしい”という理想の要件を、人事部役員をはじめとする定例メンバーとのブレストで紡いでいきました。

次に「多才」とは、グローバルスキルとダイバーシティです。ファクトベースでロジカルに考えつつも、各国のメンバーが保持する多様性を尊重しながらリーダーシップを発揮するという仕事の役割。我々、日本人の作る物の良さを維持しながら、海外のビジネスシーンでも仕事ができるスキルです。

志村:企業のグローバル化において、ともすればビジネススキルばかりが求められがちな今日、何よりもまず日本人のDNA・・・すなわち“和の魂”に焦点を当てられたことに、深い意義を感じます

かつてゴーン社長が、日産とルノーの提携時、両社のシナジーを生み出す必要性を自覚しながら、その前提として「企業の持つ、あるいは育むべき最も大切なものはモチベーションである。モチベーションは会社のすべてを左右する。そしてモチベーションはアイデンティティと帰属意識から生まれる」(著書『ルネッサンス』より)と、捉えていたことを思い返します。

それは、異質なものどうしによる「シナジーの創造」は、その礎としての「アイデンティティの維持」があって、はじめて成立するという確信でありました。

山極さんは、こうしたゴーン社長の着眼について、どのようにお感じになりますか。

山極氏:採用を担当する中で、めぐり合うエピソードが思い返されます。面談において「グローバルで働きたい」という学生は少なくありませんが、中でも、特に子どもの時に海外で育った人は、街を走っている日本車に対する、現地の方々からの高い評価を通して、日本人の強みに気づかされるケースが多いようです。

その彼らの気づきとは、クラフトマンシップ・・・つまりモノづくりに対するこだわりと共に、サービスやもてなしの側面、さらには真面目さ、誠実さ、あきらめない心といった、日本人のマインドに流れているものでありました。こうした日本人としての誇りの自覚こそが、日産を成長・発展させる活力の源泉であると、ゴーン社長は考えているのではないかと思います。

また、加えて申し上げておくべきこととして、「和魂多才」はJBL育成のベースですが、外国人の中にも、心から日本が好きであり、日本人が持つ良さを体現しながら働いている人も多数いるということです。

パフォーマンスの因果の“因”とは?

志村:優れたビジネスリーダーの代表者を選抜し、棚卸ししたとのお話ですが、彼らが発揮しているパフォーマンスを因果の“果”とする時、それを生み出した因果の“因”は、いったい何であったのでしょうか。

山極氏:社内調査から、経験した“こと”に加え、経験した“時”に関する共通点が明らかになりました。それは若年期に、小さいながらも特定の事業部を任され、PL責任を負っていたことと、組織の長として、100人前後の規模のピープルマネジメントを行っていたことと、それらを20代後半~30代前半で経験していたという点です。

志村:つまり、現場における経営者や事業者としての原体験が、後のパフォーマンスの因となることが明らかになったわけですね。特に人生におけるこの時節の体験は、後の成長に決定的に影響すると言われます。

山極氏:ただし今日、こうした経験を適切な時に刻ませるのは、容易なことではありません。IT系企業などであれば、若い時に起業してサービス提供することができますが、製造業においては、最終製品が実に複雑であることから、多様な役割がいかなる関連性で動いており、またどのタイミングで誰が何を気にしていて、自分がいかに動けばよいのか、それを理解するのに多大な時間がかかるのです。自動車のエンジン開発でも2回新規エンジンプロジェクトをやると随分理解できるのですが、1回で4年・・・つまり、2回やるのに8年かかる。さらにその前の基礎作りに5年を費やすとなると、合計で13年。ということは、22歳で入社した場合、その人は35歳になってしまう。ここをどうスピードアップするかが重要な課題です。

志村:そのスピードアップの方法は、果たして存在するでしょうか。

山極氏:ハイパフォーマーの代表者でもある役員たちに、「今後の経営者を若い人財の中から選ぶ際、皆さんと同じような活躍を再現するために必要な経験は何か?」と問うたところ、かなり具体的なインシデント(決定的な出来事)が挙げられました。彼らにしても、今まで全く無駄のない歩みをしてきた訳ではない。そうした意味でも、特定のインシデントを凝縮させる育成プランの検討によって、一定のスピードアップは不可能ではないと考えています。

志村:ちなみに、後の優れたビジネスパフォーマンスの因として、入社した後のインシデントだけではなく、社会に出るまでの過程、すなわち“入社前”のインシデントが影響している可能性はないでしょうか。

当社では、社会におけるハイパフォーマーをモデルとして、人間の成長に関する因果の理論化を行い、偶発的な人財育成から、よりインテンショナルな(明確な意図性を持った)人財の採用・育成の実践化を目指して進んでいるわけですが、海外で活躍するビジネスリーダーを棚卸ししたところ、幼少期や児童期の体験には一定のタイプが存在しており、それによって成人した後の活躍の方向性も、またその力を効果的に引き出すために必要な経験も、異なることが明らかになっています。

そうした意味から、入社後の成長の方向性を見極めるためにも、まず把握すべき入社前のインシデントがあると考えられますが、この点はいかがでしょう。

山極氏:当社では、入社前の棚卸しは未着手であるわけですが、たとえば幼少期の経験が、大学や会社に入った後の活躍の基本になるといった重要な要素は、きっと存在するのではないかと思います。仮にその因果が判明した際、最も活用できるのは採用活動になるでしょう。

そうした意味で、入社前を含めたパフォーマンスの因果の理論化は、大変興味深いものであることから、イー・ファルコンの取り組みを注目するとともに、実践化への検討を共に進めていきたいと思います。

“源流の湧水”を広げるコンセンサス

志村:一般的に、企業におけるグローバル化の進展に伴い、本社機能によるリージョンの事業評価が困難になることで、心理的な距離が生じ、結果的に本社がリージョンの事業を牽引するといった支援が困難になる傾向があります。こうした状況を「川下から川上には橋はかかるが、川上から川下に橋はかけられない」と表現した人もいます。つまり、ボトムアップで発生したものには実効性があるが、トップダウンで降りてきたものは、それがないということです。

その一方で、貴社は人事部のリーダーシップによって、数か月という限られた時間の中で、採用と育成の仕組みを築かれたと共に、世界のリージョンとの連携を実現なさっています。こうした本社と現場の架橋が成功している理由は何であるのでしょうか。

山極氏:それはこの取り組みが、単に人事による現場支援ではなく、企業としての事業目標を達成するための活動であるということが、現場を含めた全ての関係者に理解された点にあると思います。

例えば、商品を決定する会議では、このデザインと性能を(バリュー)、この価格×この台数を売る(プライス)。だからそこに、これだけの費用を投じる(コスト)という協議を通じて、関係者の合意を得るわけですが、今回の取り組みの意思決定においても、同じ原理が用いられています。

人財育成には、“プライス”こそ存在しないものの、常に“コスト”が発生します。それに対して、「このプランで育成される、JBLたちの手による設計生産で作られたもので、事業が拡大する」ことや、「自前の人財の育成によってヘッドハンティングと代替していく」ということ、さらには「育てた人財が、売上という成果をあげる」といったものが“バリュー”に値すると言えます。今は、未だ誰かが成果を出したという状態にたどり着いていませんが、やがてコストに対してバリューが見合う状態になるよう、中身を充実させていくという協議をしました。

つまり“持続的成長のための、ビジネスリターンの開発”という大目的に基づき、「当社の事業を支えている人財たちのパフォーマンスを、再現する取り組みである」というロジックをもって、関係者の合意を得たわけです。

そうした意味では、「川上から川下へと無理に橋をかけた」というより、「川上よりもっと先の“源流の湧水”を、河口まで広げる」というコンセンサスを得られたことが、成功の理由であると言えるのかもしれません。

志村:企業の本社機能が、ともすれば事業部のスタッフやサービス業務に終止してしまったり、“本社対現場”といった対立構造に陥ることが少なくない中、事業の未来という“バリュー”を創造するために、しかるべき“コスト”を投じるという、企業の根本命題へと立ち返ることで、種々の機能間のコンフリクトを乗り越え、協力と連携を可能にしているという一つのモデルを、見事に実現されていると思います。

経営者の姿勢を分かち持つ人事

志村:山極さんは技術採用で日産に入社され、エンジン設計・開発部門において、我が国を代表するスポーツカーである「フェアレディZ」や、「GT-R」のエンジン開発の責任者を担当された後、企画部門においては、Cセグメントと呼ばれる特定の車両サイズに関する全世界の収益責任を担われ、さらに6年前からは人事部門で、この度のJBLプログラムを構築されました。そこで質問ですが、このようにミッションが大きく移り変わってきた方は、日産の中には多いのですか。また、もしそれが稀であるとすれば、山極さんがこうしたキャリアを歩むことになった理由は何であると思われますか。

山極氏:こうした経歴を持つ人は、あまり多くはないようです。私自身が、このようなキャリアを歩むことになった理由があるとすれば、大学院で「化学工学」という学問を専攻したことが挙げられると思います。これは、もともとアメリカでできた学問体系であり、原子炉設計のエンジニアを養成するために作られたものです。機械系と化学系の二つを俯瞰的に見るエンジニアリングですが、そこにはコスト設計も入ってくることから、複数の専門領域を俯瞰しながら、それぞれの領域を活かすという思考の方法を身につけられました。

これがベースとなって、部門が変わり、それまでの知識やスキルが通用せず、一から勉強し直さねばならなかった時、複雑なことを簡単に考え、簡単なことを複雑に考えることが容易になったのかもしれません。

志村:そうとは言え、人事に異動なってまだ間もない中、今回の取り組みには相当なご苦労があったのではないでしょうか。それを成し遂げられた理由は何であったのでしょう?

山極氏:本来人事は、労務、採用、評価といったように、専門領域ごとにタテ割りとなっていますが、今回の“一気通貫”する仕組みを構築する上では、ヨコにプロジェクトチームを組みました。その際、確かに私の人事部門での経験は薄かったわけですが、さかのぼってみれば、エンジン開発の時も、車両企画の時も、その取り組みは完全にプロジェクト体制であったことから、異なる専門性を持つメンバーと協働してきた経験が役立ったと思います。

志村:JBLプログラムを築かれる過程において、山極さんはハイパフォーマーの代表を選抜して調査された立場であったわけですが、一方の山極さんご自身のパフォーマンスを支えている、かつての決定的な経験があったとすれば、それは何だと思われますか?

山極氏:企画部門で、次席プログラムダイレクターという役割を担った時の経験が挙げられると思います。それは特定の車両サイズ(プラットフォーム)に関する、販売・企画・生産・工場・購買・経理といった全体に関わる機能を俯瞰して統括しながら、収益計画を決定する役割でした。それは、別名“プラットフォーム別のゴーンさん”とも呼ばれている、全社の収益責任を分かち持つコミットメントでもありました。

そこでは、何年にもわたって研究してきた担当者たちの企画が、大量に起案されてくる訳ですが、その中から“やること”と“やめること”を、識別して判断せねばならなくなります。しかし、それまでの自分の全てを賭けて探求してきたものを否定された時、人間はそう簡単に引き下がれるものではありません。だからこそ、やめることを理解・納得してもらうためには、まず相手が“賭けてきたもの”を、全て受けとめる必要がありました。

ある年、正月休みを返上してexcelで5万行にわたる担当者たちの起案項目を、全て確認しました。それは大変手間のかかることではあったけれど、そうすることで、彼らが賭けてきたものの全てを受けとめ切ったという“確信”が涌いてくる。その上で判断して伝える言葉には、それがない時の言葉と比べて、明らかに異なる響きが生まれるようです。それは「山極がそう言うなら、しょうがない・・・」という、担当者たちの言葉に表れていたと思います。

そうしたことから、極めて困難に見える局面であっても、人の心が分かった瞬間、仕事とは前へと進み始める・・・その実感をつかんだ時であったと思います。

志村:生物学において、「創発」(そうはつ)という概念があります。これは、“部分の働き”の単純な総和では説明しきれない性質が、“全体の働き”として現れることを指すものです。

これまで伺ってきたお話しからは、対立しがちな組織間の架橋作業も、全く異なるミッションで優れた成果を出してきたキャリアも、さらにはクロスファンクショナルな活動の葛藤を越えてきたことも、すべては部分や現象に捉われるのではなく、“源流”や“大目的”といった原点の希求とそこからの展開によって、全体がつながりを取り戻し、分断されていた部分が活かされるという、いわゆる「創発」が生じた結果であったように思えます。

それはゴーン社長が、組織間のシナジーの創造の前提として、アイデンティティを維持することで日産を改革した姿勢や、未来を託す人財たちに「多才」だけでなく、「和魂」を欲した姿勢にも、通じるものであるように思えるのです。

そうした意味からも、山極さんがこうした経営者の姿勢を受身で理解するに留まらず、その視座を分かち持って、それを体現しながら取り組まれたが故に、この新たな日本のリーダーたちを輩出する仕組みは、貴社の持続的な成長・発展に寄与し続けるに違いないと思えてなりません。

“事業・組織・人財”の更なる連動へ

志村:今日は、これまでの山極さんの歩みのエッセンスをお聞かせ頂きました。最後に本年、特に傾注なさろうとしているテーマについて教えてください。

山極氏:企業や事業体の目標を、どうやって効率よく実現・達成していくか・・・そのための組織のあり方と、組織のパフォーマンスを決定する人財を、これまで以上に有機的につなぐ研究と実践に取り組みたいと思います。

そのためには、人財と組織のトランスペアレント(分かりやすい、透明性のある状態)な数値のモニタリングがこれまで以上に重要になると思います。人事部の仕事に、もっと人間科学的なアプローチを取り入れなくてはならないと痛感しているので、情報活用を中心とした今日の技術革新をしっかり取り入れたいと思います。

例えば、これまでやってきたビジネスリーダーの“経験の棚卸し”のみならず、イー・ファルコンのアセスメントを用いた“パーソナリティの棚卸し”を、キャリア採用の採否判断の場面でトライアル活用しています。現場からの評判も好評です。事業と組織を支える将来人財のパフォーマンスの基礎が明らかになる上に、配属先や部門人事への情報提供が出来るようになるからだと思います。今後も、教育やタレントマネジメントシステム、あるいはパーソナリティのアセスメント等、社外の事例やリソースにも、積極的に目を向けていきたいと思います。

社外の多くの皆さん達と情報交換しながら、2016年はこれまでにない、新たな価値を創造する年にしたいと考えています。

志村:本年は益々、協議の場を持たせて頂ければと思います。本日は長時間にわたって、ありがとうございました。

まずはお気軽にお問い合わせください。

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