2025年卒の大卒求人倍率は1.75倍となり、コロナ禍で一時低下した後、再び上昇傾向にあります。特に 中堅企業(従業員数300名~900名)では1.6倍まで上昇しており、採用がより困難な市場環境になってきています。
この数値は、2 020年卒採用時の水準に近づいており、企業間の人材獲得競争が再び激化していることを示しています。
谷出氏は、近年の採用市場における変化として、特に特徴的な変化を2点挙げています。
2. 採用手法の多様化
インターンシップは、企業にとっても学生にとっても、その位置づけが大きく変化しています。
企業側の変化
- 従来:企業認知や母集団形成が主目的
- 現在:内定出しを視野に入れた採用の場としての活用
学生側の変化
- 従来:業界理解、仕事理解が主目的
- 現在:業界・仕事理解だけでなく、内定獲得や選考を有利に進めるための就職活動の場
開催形式の変化
- コロナ前:全て対面式
- コロナ禍:全てオンライン完結
- 現在:対面とオンラインのハイブリッド(使い分け)が主流
開催期間の傾向
インターンシップの定義が変更となった2023年(25年卒向け)から
- 1日開催のセミナー型や5日間程度の就業体験型が増加
- 2週間や1か月の長期インターンシップは減少傾向
このような変化の背景には、各企業がインターンシップを通じて自社の特色や採用戦略を表現しようとする傾向があります。また、自治体では、公務員志望者減少への対策として、各課でインターンシップを実施し、公務員という選択肢の認知向上、仕事理解を図るなどの取り組みが見られます。
採用プロセスにおいても、オンラインと対面を組み合わせたハイブリッドアプローチが主流となっています。
- セミナー、一次面接:主にオンラインで実施
- 最終面接:対面実施が増加傾向
この変化に伴い、企業説明会の位置づけも変わってきています。オンライン参加が可能になったことで、学生の参加障壁が下がり、より気軽に企業説明会に参加できるよになりました。
しかし、 これは必ずしもエントリー数の増加には直結しておらず、谷出氏は、効果的な説明会には以下の2つの要素が必要だと指摘しています。
説明会において、単なる情報提供だけでなく、「一緒に働きたい」「もっと話を聞きたい」と思わせるような内容やコンテンツ作りが重要となっています。
冒頭でお伝えした大卒有効求人倍率。25年卒は1.75倍と、数字上はコロナ前の1.8倍よりもまだ低い水準にあり、コロナ以前より採用しやすい状況のはずだが、実際の採用現場では、以下の要因により採用活動がより困難になっていると谷出氏は分析しています。
5.求める人物像の重複
これらの要因が重なり、採用活動の早期化が進み、企業間の競争も激化しています。
本セミナーでの後半では、採用成功のために必要な5つの情報について谷出氏に解説いただいています。また 株式会社イー・ファルコンでの採用成功の例なども紹介しておりますので、詳細は、ぜひアーカイブ動画でご確認ください。
本セミナーの終了後には「楽屋トーク」セッションが開催されました。ここでは、谷出氏が本編で話しきれなかった具体例を紹介し、あわせて参加者の皆様からの質問にも答えていただきました。
「面接で何を話せばいいか?」という質問を多く受けるという、谷出氏。「共通点を見つけ、それを共有することが大切である」と答えています。共通点を共有することで、面接官と学生との間に親近感が生まれ、より良い関係を築くことができるとお話されていました。
楽屋トークセッションの詳細記事については、後日公開いたします。