永島氏
部下の現状とあるべき姿におけるスキルや能力を明確にして、本人が成長してそのギャップを埋めていける目標設定、育成計画やフィードバックを丁寧に実施していくのがピープルマネジメントです。役割や権限もその中で考えていけると良いでしょう。
マネージャーの役割は各会社によって変わってきます。会社が規定する「上司と部下がどういう関係性を築くのが望ましいのか?」という考えを明確にしていく事から始めていくのが良いのではないでしょうか。
永島氏
必ずしもCHROを設置する必要はありません。会社によっては人事部長が兼務することもよくあります。
ただ、規模が大きくなると現場の仕事が忙しくなり、人事部長が経営目線で物事を考える時間や経営者とのコミュニケーション量が減ってしまいます。また、中長期のことを考えて全体最適を考えながら、部分最適である目先の対応を行うというのは、とても難しいことであり、事業が成長して課題が複雑化してくる局面ではCHROと人事部長を分けるのが良いかもしれません。
まずは人事部長がCHROを兼務しつつ業務量や経営者と人事のコミュニケーション量を見ながらCHROの設置判断をするのがオススメです。
永島氏
1on1の制度を導入しているのであれば、なぜやるのかというWhyの解像度を上げて説明することが一番大事です。さらに、進め方などのルールを細かく規定してあげるなど、すでに導入している制度を活かすのが一番いいと思います。
ルールについては、例えば以下のようなイメージです。
・開始時に前回の振り返りから話を始めて、テーマを決めて進める
・テーマは「課題進捗」「キャリア」「悩み」のどれかにする など。
人事で決めた仕組みが現場に馴染んで当たり前の行動になるまでの期間は会社によっても異なりますが、1、2年は見た方が良いケースが多いです。
新しい制度を設計して導入することも大事ですが、すでに導入した仕組みが現場で受け入れられないという事実に正面から向かい、対応し続けるということこそが人事として大事な仕事となります。
頻繁な仕組みの変更は、組織の生産性やエンゲージメントを下げる要因にもなり得ますので、できるだけ今の制度を改善しながら運用していくことが良いと思います。
また、人事としてマネージャーと目線を合わせるためにも、上司と部下の理想的な関係性を示すのも効果的です。1on1の理想は役職を持ち込まずフラットな関係性で望むことですが、現場の皆さんは意外と知らない人が多く、驚かれる方がいらっしゃいます。
言葉で説明するのが難しい場合は、良い例・悪い例の動画を撮影してサンプルを作ってあげると現場はイメージしやすくなります。
永島氏
今すぐ注力する必要はないと思います。
「5・10年後に実現したい会社の状況を経営陣含め議論する際に組織も一緒に考える」で十分だと思います。
きれいなポートフォリオを今から作ろうとすることよりも、会社の成長と照らし合わせて「人」の観点を持ち続けることが重要です。
e-falcon田中
事業が成長フェーズに入ると、仕事にばかり気が取られ人材の観点が劣後しやすくなってしまいます。グロース企業において人材の問題は後々露見することが多いので、事業の話と人材の話はセットで議論するように癖付けをしておくと将来の備えになると思います。